概要
多民族の欧米系島民は第二次世界大戦後、太平洋の島で日本国籍を持ちながらアメリカ海軍の統治下で成長した。様々な慣習など受け継いできた複雑さの中で、アメリカ風生活の狭い視点しか持っていなかった島民は1968年島が日本に返還されるという厳しい局面にぶつかることになった。「潮の狭間に」は 歴史よって引き離され、再び絆を取り戻した戦後の欧米系島民の物語である。
歴史
欧米系島民は1830年ヨーロッパ、アメリカ、ミクロポリネシアからの多民族のグループが初入植した。1876年島は日本の管理下に置かれ、島民たちは日本人となった。公用語は日本語だったが、先人からは英語を受け継いだ。戦時中は日本社会から敵国人として扱われ、西洋の名前も日本名に強制的に改名させられ、英語を話すことも禁止された。
戦争末期、島はアメリカ海軍によって接収され、それ以後の22年間は島民の軸となるアメリカ文化と共にアメリカの規律に従って生活した。戦後、島で生まれ、育った島民はネイビー世代として知られ、学校で英語を学び、アメリカ合衆国に忠誠を誓うようになった。しかし、1968年島は突然日本に返還された。ネイビー世代の多くは日本式の生活、日本語を学ぶことに馴染めず、 アメリカへと渡ったり、困難に直面したりした。
現在
返還後ネイビー世代にとって選択肢はほとんどなかった。ほとんどはアメリカへ渡り、辛いことにも遭遇し、努力して仕事を見つけ、家族を持った。否応なしに島に留まることを余儀なくさせられた人もいた。日本語を勉強し、東京都の公務員になり定年になるまで働いた人もいる。 家の裏庭で集まって昔のようにバーベキューをする光景も見られる。しかし、全員が揃うのは滅多にない。それぞれが前に進み、新しい友達を見つけ、過去を懐かしむことも少なくなった。日本本土からの流入もあって、欧米系コミュニティはバラバラになり、島に残っていたアメリカの影も塗りつぶされつつある。とはいえ、彼らは、ふっと過去を思い出す瞬間がある。「潮の狭間に」はそんな瞬間を集めたものである。